FT897にIC-AT500を接続する ― 2015年01月26日 09:06
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長いあいだ眠っていたIC-AT500を出してきてFT-897につなげました。いまさらという感もしますが、何がいいかと言うとこのチューナーはフルオートなのでFT897を遠隔操作させても追随して動作することです。
YAESUとICOMですから結構大変ではないかと思いWEBを調べると10年くらい前にやっている人がいました。FT-1000MP+IC-AT500のパターンです。(http://blog.goo.ne.jp/ja8rxd/e/70d9b8433a48acd7e95ed53d7b171fcf)
FT897はTTLのBCDでBANDデータを出力します。IC-AT500は0Vから8Vまでの電圧でBANDを判断しています。下図はIC-726のBANDデータの出力回路とIC-AT500のBANDデータ入力回路です。

市販品はないか調べましたらありました。YAESUのBCDデータをデコードしてバンドごとに無電圧出力(OC)しています。たとえばこれでリレーを動作させとアンテナ切替ができます。
これに電圧発生回路をつければ完成です。と考えましたが簡単にIC-726のようにすれば良いのではないかと自作しました。IC-726の分圧回路は電圧側で切り替えていますがオープンコレクタを使用するならGND側を切り替えれば良いので簡単です。デコーダーのICはBCD-16bitでOCがあれば最高ですがいまどきLSシリーズが入手難でそんなに都合の良いものはありません。なるべく小型で、部品を減らすことを第一とします。そこでBCD-14 Automatic Band Decoderを参考にして(ほとんどパクリ)できあがりました。入力段のインバーターは手持ちのTrで済ませました。出力の制御は当初トランジスタでスイッチングしていましたが0.9Vの電圧降下が動作不安定になるためリレーに変えました。回路は次の通りです。
商品ならすべてコネクタにして筐体に納めるのがスマートですが自分が使うのですから直接ケーブルを基板から取り出しています。IC-AT500にはIC-726用変換ケーブルがあり、DIN7ピンとDIN8ピンが付いています。IC-726はBANDデータはDIN7ピンですのでDIN7ピンの基板コネクタを探しましたが簡単に手に入りません。そこでパネルタイプを購入し基板に半田付けしました。ところがコネクタを挿すときの力で曲がってしまいます。しかたないのでビスでパネルに留めることとなりました。
またIC-AT500への電源コードですが(160m~10m以外は電源断とするためDC電源にした)、ICOM用チューナー電源コネクタを購入したのですが挿そうとするとIC-AT500はオスピンでした。そこで再度メスピンを注文しました。molexの1490R1ですが1490Rしか安いのがありません。規格を見ると耳ありと耳なしの違いなので1490Rを購入しニッパで耳を切り落として完成です。
左上のスペースには出力制御のリレーが付きました。


今時の無線機にはATUが当然のごとくついていますがFT897はFT857をでかくしただけなのでFC-30とか外付けしなければなりません。場所はとりますがIC-AT500でSWR3以内は勝手にマッチングします。FT897は内部のセンサーで反射電力を測定して保護回路を動作させます。これはこれでよいのですが保護回路が働くのは健康によくありません。アンテナが良くなるわけではありませんが健康になります。