SDRで作るデジタルトランシーバー その32019年09月27日 08:34

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LimeSDR MiniからPTTとBand出力の説明をします。
LimeSDR MiniのGPIO出力からPTTとBand出力を生成する回路です。
LimeSDR MiniのGPIOは基板上に1.27ピッチのパターンで出ています。(このサイトを参照)

このパターンは1.27ピッチの10Pです。

基板に直接ケーブルを半田付けしても良いのですが1.27ピッチのピンヘッダーがありました。

ついでにこちらも購入したのですが使えませんでした。左右の出っ張りがヒートシンクに当たり刺さりません。
先にヒートシンクを付けていなければこの出っ張りを避けてヒートシンクを付ければこれが使えます。

そこでこちらを購入し1.27ピッチのリボンケーブル(ATAケーブル)を半田付けしました。

1.27ピッチは割合簡単に半田付けできます。

回路は単にトランジスタアレイでレベル変換するだけです。

GPIO6とGPIO7はPTT専用ですがOR回路でPTTとして出力しています。後続のタイミング回路へ送る信号です。
Band出力はMiniDIN6Pを使いましたがVccとGNDを入れたため4bitのみになりました。GPIO0とGPIO1は表示のみです。GPIO2~GPIO5がBandとして使います。
GPIO6とGPIO7はPTT専用にしました。
オープンコレクタですが表示用のLEDからの電圧が掛かるため無電圧にならずリニアアンプは動作しません。
またタイミングもこれでは送信に入ると同時にリニアアンプがオンになるため気持ちよくありません。
そこでリニアアンプのキャリア検出を使うこととします。
ちなみにソフトの方ですがサイトによれば下記のよう設定します。

これはよくできたソフトです。送信時、または受信時にバンドごとにどのGPIOをオンにするか設定します。
送信時、受信時ともに同じGPIOをチェックすればそれはそのBandの信号になります。送信時だけチェックすればそのBandの送信状態の信号になりますのでPTT信号です。GPIOは0~7までありますので自由に組み合わせてBandまたはPTT信号にできます。多バンドの場合足りなくなるかも知れません。しかしLimeSDR Miniは100MHz以上なのでこれで十分です。
この機能はV3.0.6から提供されました。当初はキャリア検出で行っていました。一番最初の回路です。

この回路では2SC1815のベースのスレシュールドに達しないと検出できません。8dBmくらいのレベルが必要でした。
そこで改造しました。

これで-4dBmくらいまで検出可能になりました。ところが送受を繰り返していると温度が上がるためかスレシュールド値が上がって行き、送信停止でも受信に戻らなくなりました。この回路でも+5dBmくらいないとだめです。ですのでLimeSDR Miniは最高出力で後段でレベル調整するしかありません。
その後さらに回路を改造し次のようにコンパレータで検出することを考えました。

そうこうしているうちにV3.0.6が提供されこの回路は日の目を見ることはありませんでした。
SDRconsoleが提供するBandとPTTはアマチュア無線のBand内だけです。それ以外はLimeSDR MiniのFPGAを書き換えてGPIOをコントロールします。ヨーロッパではATV(アマチュアテレビ)のチームがFPGAを書き換えています。当然SDRconsoleの出力とは異なります。

Band出力は144MHz帯のLPFを入れたり出したりする回路で使用しました。後述しますがこれも結局不採用となり現在Band出力は使っていません。


PTT出力を使わずキャリア検出の時はLimeSDR Miniのみをケースに入れていました。

中身です。

次は送受切り替えコントローラユニットの説明です。

続く

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