リグの遠隔操作2017年04月16日 14:05

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このブログで無線機のリモートコントロールを書いてきましたが次のような構成でした。
このパターンでも良いのですがパソコンの本体のOSが変わるたびにそれまで使っていたソフトの検証を行い移行しなければなりません。WindowsXPから始まってVISTA、7、8、8.1、10ですよ。まったくMSの思うままに振り回されています。
これを防ぐにはRigを含めてコントローラを一体のハードにしてしまう。このハードとパソコンのインターフェースを超汎用(例えばHTTPなど)にしておけばクライアントも選ばす将来にわたって持続可能なシステムになります。
その一例がHAM STAR「Remort Rig Control Server」RRS-101/501です。これは更に進化しRRS-Piになりました。

右側のパソコンがRaspberry Pi です。このマイコンは世界で一番売れている教育用LINUXの組み込みタイプのマイコンです。
左側のクライアントはWEBにつながれば何でも構いません。
右側のパソコンはRRS-Piの場合Linuxですが組み込み用としてシステムを構成する部品として使っています。
そこで私もここはWindowsのパソコンを使うとしてシステムを構成する一部品とします。Windowsのアップデートなどは一切行わず単にインターフェースとして使います。テレビもキーボードも要らないので小型で低消費電力のパソコンを探しました。うまい具合にオクにEndeavorNP15が出品されていましたので購入しました。メモリ増設とSSDへの換装を行いました。大きさは20(幅)×173(高さ)×154(奥行)mm(突起部を除く)
出品された方がWindows10にアップしていたためそのまま使用します。ただしWindows10HOMEですので細工が必要になります。(後述)
全体の構成です。下記の内容中のTEAMSPEAK3はNETDUETTOに読み替えてください。
EndeavorNP15ですがコントローラですのですべてのソフトは自動で起動しなければなりません。
自動起動の項目は次の通りです。

      1、EndeavorNP15の遠隔起動
      2、EndeavorNP15の自動ログイン
      3、Rigの遠隔起動
      4、HAM RADIO DELUXEのServerの自動起動
      5、Voipソフトの自動起動
      6、EndeavorNP15の遠隔シャットダウン
       (SSHデーモンの自動起動)
     7、Rigの遠隔OFF
     8、リモートデスクトップサーバー自動起動
     9、Windows Updateの禁止
   10、Rig、アンテナの状態監視の起動
   11、その他の設定

これらを実現するのにWindows10HOMEの標準の設定を変える必要があります。
上記の項目を順に検討します。

1、EndeavorNP15の遠隔起動
  これは常時ONでも構いませんが電気代、部品の消耗などを考えると必要なときにONし終了したらOFFするのが望ましいと考えられます。
PCを遠隔で起動するには2つの方法があります。通常はWOL機能を使う方法です。最近のPCはほとんどが対応しているため可能です。これはLANのインターフェースが常時通電されていて特殊な信号を受信すると本体を起動します。通常Wifiなどのデバイスはこの機能がないので無線LANで直接起動はできません。そこで一旦無線を有線に変換し本体のLANインターフェースにつなぐことで無線から起動できます。
もう一つの方法はBiosの設定で本体に100Vが供給されたらPCを起動するという機能を有効にします。
こうすると100Vが制御できればPCを起動できます。今回はWOLで行います。無線から有線LANへの変換は手持ちのPlanexのMZK-MF-300Nという機器です。コンバーターモードがあります。

2、EndeavorNP15の自動ログイン
 通常のWindows10の設定ではパスワードがあると起動後必ずログイン画面が出て来ます。そこでこれを自動ログインの設定に変更します。自動ログインしなくとも必要なソフトがサービスとして起動すれば全く問題ありません。上記の4、6、7、8はサービスとして自動起動するのでログインは必須ではありません。残りの5がログインしないと起動できません。

3、Rigの遠隔起動
 当初PCの起動と同時にRigの電源をONにしていました。それはUSBの5Vを受けてリレーを動作させていました。これでも良いのですがのっぴきならない理由で別に制御することとしました。秋月さんから最後の1個と思われるIP POWER 9202が購入できたのでWEBからRigの電源をON/OFFしています。この電源コントローラで非常時の強制電源断も行えるようにしました。

 4、HAM RADIO DELUXEのServerの自動起動 
 バージョン5.23.36がWindows10でも問題なく動きましたのでそのまま使っています。このHRDはよくできたソフトでサーバークライアントモデルが構築できます。2台のPCで片方をサーバーとして起動しもう片方をクライアントとしてサーバーにつながっているRigをコントロールできます。サーバーのほうはバックグランドで処理されるので画面には現れません。設定も簡単でいくつかのサイトに出ています。
このサーバークライアント方式のほかにはWindowsのリモートデスクトップ機能でクライアントPCからサーバーPCに接続しサーバーPCの画面、キーボードマウスをクライアントからあたかもその場にいるように制御できます。この機能を使ってサーバーPCのHRDを起動し同じように制御できます。この場合サーバーPCのHRDはサーバー設定をする必要がありません。この方式だとリモートデスクトップが可能なデバイスならRigをコントロールできます。現在マイクロソフトが提供しているソフトはWindowsのほかにAndroidスマホ・タブレット、iPhone・iPad、Macがあります。他にLinux にもソフトがあります。
ところが今回のように非力なサーバーPCですと遅延が気になります。またリモートデスクトップで音声のやり取りも可能ですがそもそもWindows10HOMEにはリモートデスクトップ機能がありません。無理やり入れるのですが、そのため音声は片方向のみOKになりました。遅延の問題と音声の問題からHRDのサーバークライアントのほうが快適です。となりますと遠隔制御する側のデバイスはWindowsPCまたはWindowsタブレットになります。リモートデスクトップならデバイスは色々使えます。どちらを選ぶかは隔制御する側のデバイス次第ということになります。

5、Voipソフトの自動起動
 4でも書きましたがRigのスピーカ出力とRigのMIC入力の音声をどうやってやり取りするか、リモートデスクトップ機能ではRigのスピーカをクライアントで聞けましたがマイクの音声を送れませんでした。そこで無料通話アプリ(ボイスチャット)の登場です。SkypeをMSが吸収したこともあって日本ではLineと双璧となっていますね。この手のソフトは次のよう分類されます。参考サイト
     P2P方式----------相手と直接接続され通話します。
     サーバー方式---相手も自分もサーバーに接続しサーバーを介して通話します。
サーバー方式にはさらに自分でサーバーを立ち上げれるもの、指定のサーバーのみのものとあります。
今回は自分でサーバーを立てられ自動起動し遅延が少ないものということでTeamSpeak3を第一候補として検討しました。他にはYAMAHAのNETDUETTOがあります。オンラインで音楽セッションを組んで演奏できるソフトで遅延が少なく使い勝手がよいです、サーバーはYAMAHAのもので1回6時間以内ですが残念なことに自動で相手に接続(ルームに入ること)ができません。
Mumbleも試しましたが設定が多すぎて使いこなせませんでした。自分で立てたサーバーも基本公開されるのでパスワードの設定やチャンネルの設定が欠かせません。ある時、口笛が聞こえてきてビックリしたことがあります。他の人が私のサーバーを使いチャットしようとしていたことに後で気づきました。相手も無線機の音ばかりで驚いたのではないでしょうか。
TEAMSPEAK3のサーバーの設定はいろいろなサイトで書かれています。
その後TEAMSPEAK3を使ってみると遅延はないのですがALC機能が悪さしてAMでも時々音声が途絶えます。レベルをTEAMSPEAK3が勝手に変えていきます。FMなどは元々スケルチが効いているのであまり関係ありませんがAMやSSBでは相当違和感です。SkypeやMumbleなどもALC機能が付きます。
そこでALC機能がないYAMAHAのNETDUETTOになりました。こちらはサーバーはYAMAHA社のものを使いますのでクライアントのみになります。
ただし、自動でYAMAHAのサーバーのルームに接続できません。やむを得ずマウス自動クリックソフトを使います。例えばTinyTaskTinyTaskPortableです。これはクリック動作を記録し実行ファイルを作成できます。これらのソフトで指定個所をクリックする実行ファイルを作りバッチファイルでNETDUETTOを起動した後タイマーを入れ自動クリックの実行ファイルを実行します。

6、EndeavorNP15の遠隔シャットダウン
 WOLで起動したEndeavorNP15をどうやってシャットダウンするか。ルーターを超えて外部からでもシャットダウンできるようにするためいろいろ試しましたが結局SSHに落ち着きました。PCをリモートデスクトップでつないでそこからシャットダウンさせればそれでも良いのですがシャットダウンのためだけにリモートデスクトップに接続するのはどうかと思います。Windows10にはTelenetのデーモンはあります。今どきは平文対応のTelenetは時代遅れです。幸いにもWindows用のSSHデーモンが公開されていますので導入します。
SSHクライアントはTeraTermが常套なのですがマクロがうまく動きません。Win32 OpenSSHとの相性が悪いと勝手に決めつけています。毎回コンソールからシャットダウンコマンドを打ちこめばいいのですがあまり能がないのでマクロを組んだのですが撃沈しました。気を取り直してPuttyというクライアントソフトを導入しましたらシャットダウンコマンド1個だけならマクロを組まなくとも自動でできました。
もし、8のリモートデスクトップを起動できればそこからPCはシャットダウンできます。また前術のYAMAHAのNETDUETTOをルームに接続するのもリモートデスクトップを起動できればそこから手動で接続できます。しかしHRDをサーバークライアントで起動しているのにわざわざリモートデスクトップを立ち上げるのはどうかと思い5、Voipソフトの自動起動、6、PCの遠隔シャットダウンを試しています。

7、Rigの遠隔OFF
 3、Rigの遠隔起動と同じでWEBからコントロールします。Rigの電源はWEBからのコントロールだけでなくRigが送信状態で電源をコントロールできなくなった時、遠隔地にいた場合何ともなりません。FT897Dには連続送信のタイムアウト機能もありますが念のため温度プロテクション回路を付けました。これはRigの終段のヒートシンクの温度を検出して強制的にRigの電源を落とします。これは保持されますのでリセットボタンを押さない限り再開できません。

8、リモートデスクトップのサーバー自動起動
 このシステムの泣き所ですがアンテナのSD330をコントロールするにはリモートデスクトップから行う必要があります。VB.NETで作ってありますがサーバークライアント型に作り替えれば良いのですが後々に取っておくとして今は手間でもリモートデスクトップから行います。
Windows10HOMEにはリモートデスクトップ機能はありませんので無理やり入れます。無理やり入れたせいか分かりませんがウインドウズボタン(画面の左下)から電源を選択するとシャットダウン、再起動、切断という項目が現れます。(Windows10PROのリモートデスクトップの場合、ここには切断のみらしい。)これ幸いにこのボタンからでもシャットダウンできます。

9、Windows Updateの禁止
 このEndeavorNP15はコントローラですので勝手にアップデートされては困ります。ファームウエアーの更新はあくまでも管理者の意思によって行われなければ管理できません。そこでWindows Updateを止めたいのですがWindows10HOMEには止める選択肢が出て来ません。またもや無理やり止めます
これで安心して操作できます。気が向いたらアップデートをかけますが、現状動いているのでこのままで全く問題ありません。このEndeavorNP15は部品ですから。合わせてマイクロソフトに操作情報を送るのはやめましょう。

10、Rig、アンテナの状態監視の起動
 さて、理論上はこれでシステムとして動作するはずですが何らかのアクシデントが発生した場合、その検出ができないと手が打てません。何を心配しているかと言うとRigが熱源となって火災につながる可能性があるからです。あるいはRigが発する高周波が緊急無線等に影響を与え人命にかかわるような事態がになりかねないからです。
そこで、EndeavorNP15とは関係なくWEBカメラで監視します。手持ちにパナソニックのC11とC111がありましたので使ってみました。C11のActiveXはすでに期限切れで使えません。ところがWindows10になってIEからEdgeになったお陰でMotionJPEG、MPEG4がActiveXなしで見れるようになりました。復活です。(C111の音の取り込みはActiveXが必要です)FirefoxでもMjpegだと見れます。パン・チルトも動きますがズームと音はだめです。
C11でRigとEndeavorNP15のパネルのLEDを、C111でSD330を見ています。そのほかにLiveCapture3というソフトでRigの画面を見ていましたが結局HRDと同じなので止めました。

11、その他の設定
 遠隔で操作するには自宅のPC等がインターネットを使って操作できるようにブロードバンドルーターに設定しなければなりません。特にWOLでPCを起動するにはその機能があるルーターにしなければなりません。当初コレガのAP(Wifiのアクセスポイント)を使っていましたが、うまく動かず調べたら対応していませんでした。ルーターを超えてやって来るマジックパケットをブロードキャストできるか、またはLAN側にコマンドでマジックパケットが出せるかの二通りの方法があります。対応しているルーターはNTT、YAMAHA、バッファロー、Aterm(NEC)です。NTTとYAMAHAはブロードキャストを転送できるタイプです。NECはルーターの設定画面で指定したPCを起動するマジックパケットをLAN側に送出します。バッファローはARPテーブルにあるMACアドレスに対してマジックパケットを送出します。
コレガがダメなのでバッファローの該当ルーターを試験しましたが、ARPテーブルが5分位でクリアされうまく動かない時のほうが多かったです。そこでARPテーブルでなくターゲットを指定できるNECのAtermにしました。今度はうまく動いてくれました。NECの場合、設定画面をWebブラウザで表示し操作します。ちょっと危険な気もしますがYAMAHAは高価で手がでません。それに有線です。NTTのHGWは無線もあり、WebブラウザでなくWOLソフトで操作します。これは魅力なのですがフレッツ光の方、向けですね。
その他ルーターに穴を開ける必要があります。各プロトコルのポートは標準では危ないのですべて変えます。該当のソフトは下記の通りです。ポート番号は初期値です。穴を開けるにはルーターのポートマッピングで行います。NETDUETTOはルータのUPnP機能を使いますのでポート開放は必要ありません。

   ソフト          ポート番号          用途
   SSH           22/TCP             PCのリモートコントロール(シャットダウン)用
   HRDサーバー    7805TCP                       Rigのコントロール用
   リモートデスクトップ 3389/TCP                            SD330のコントロール用
   IP POWER            80/TCPまたは7070/UDP    WEBによるRigの電源コントロール       
        WOL          NTTは7779/UDP Atermの場合8080/TCP  PCの起動用
        WEBカメラC11    80/TCP                                Rigの監視
   WEBカメラC111   80/TCP                                   アンテナの監視
   
12、送信も遠隔で行う場合
 送信も遠隔で行えるようになりました。しかしお上の許可を得なければなりません。幸い諸先輩が道を開いてくださったので今は届けるだけです。電子申請なら簡単に申請(JL1JVTさんのページ)できます。
その際必要になるのが「工事設計として要件に適合することを説明した書類」です。
JARLのページICOMのページJL1JVTさんのページ,JF1MVFさんのページを参考に作ってみました。(ただし申請してませんのでご使用は自己責任で。)
Wordでほしい方はHRDのサーバークライアント編がこちら 、リモートデスクトップ編がこちら

下記申請内容中のTEAMSPEAK3はNETDUETTOに読み替えてください。







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